シックハウス症候群や化学物質過敏症になってしまうと、家にいるだけで体調が悪くなり、日常生活を送るのも難しい状態になってしまいます。
実際わたしたちも辛い症状に苦しむ方々の様子を目の当たりにしてきました。
日々の健康を守り、シックハウス症候群や化学物質過敏症にならないようにするには、自分で知識を身につけ適切な対策をすることです。
そこで今回は、住宅におけるシックハウス症候群や化学物質過敏症の対策を4つ、お伝えしたいと思います。
シックハウス&CS対策の4つのポイント
シックハウスや化学物質過敏症(CS)の対策として有効かつ重要なのは、以下の4つのポイントです。
- 工務店選び
- 換気
- 家具の買い替え
- ライフスタイルの見直し
それぞれのポイントについて、簡単に説明していきますね。
1. 工務店選び
住宅の新築やリフォームの際の工務店選びはとても重要です。
とはいえ、「シックハウス対策」や「化学物質過敏症対応」を謳っている工務店もいろいろあり、どの工務店がいいかなかなかわかりづらいですよね。
知り合いの工務店やお付き合いのある工務店があったりすると、ついお願いしたい気持ちにもなります。
そこでおすすめなのが、まずは自分でシックハウスや化学物質過敏症について調べてみて、そこで得た知識や疑問を元に、工務店さんと話をしてみることです。
質問や会話の中で、その工務店さんがどのような返事をしたり反応をするかで、どう言う考え方で家づくりをしている工務店かの判断をすることができます。
例えば、「接着剤はどのようなものを使いますか?」と聞いた時に、「うちはF☆☆☆☆(低ホルムアルデヒド)を使っているので大丈夫です。」という返事が返ってきた場合、その工務店さんはシックハウス症候群や化学物質過敏症に対する意識があまり高くないと考えられます。
というのも、F☆☆☆☆の接着剤であっても、規制対象のホルムアルデヒド以外の化学物質が多く含まれています。
化学物質過敏症の方はごく微量の化学物質にも反応してしまうため、F☆☆☆☆だからといってむやみに使用することは危険なのです。
シックハウスや化学物質過敏症のリスクを本当に防ぎたい場合は、弊社のように「基本的には接着剤は使いません」と言える工務店さんを選ぶことが大切です。
また、その工務店全体のライフスタイルを見ることで、健康な住宅や生活に対する意識を見極めることができるのではないかと思います。
2. 換気
室内の化学物質を含んだ空気を外に出す、という急な対策として推奨されているのがこまめな換気です。
換気の頻度は、個々の体調によっても異なりますが、1日3〜4回、朝昼晩に空気を入れ替える程度でも大丈夫です。
ただ、近所で外壁の塗装を行なっていたりする場合には、その塗料の化学物質が外から中に入ってきてしまったりすることもあるので、屋外の状況も合わせて判断することが大切です。
2003年以降に建てられた住宅やアパートでは24時間換気システムが義務化されていますが、その場合も外の空気が汚染されている場合、その空気を家の中に取り入れてしまうことになるため、単に汚れた空気を交換している状態になってしまいます。
換気をしているから安心、というわけでなく、外の空気の状態も考慮しながら効果的に換気をするよう心がけましょう。
また、シックハウス対策のできる高機能の空気清浄機であれば、室内の空気から化学物質を除去してクリーンな状態に保ってくれる効果もあります。
ただ、長期的に考えると化学物質の汚染そのものをなくす方向で考える方がより現実的とも言えるでしょう。
3. 家具の買い替え
一般的に大量生産で販売されている家具のほとんどは、合板や塩化ビニールを使って作られています。
合板は薄い木のシートを接着剤で貼り合わせたベニア板をさらに重ねて作られているため、その接着剤から多くの化学物質が飛散します。
塩化ビニールも製造工程で化学物質が使用されていて、揮発性の成分が空気中に流れます。
合板に使われいている接着剤はF☆☆☆☆だから安心という名目だったり、塩化ビニールも指標以下だから大丈夫、と思っていても、化学物質過敏症を発症してしまうとごく微量の化学物質にも反応してしまうため、使い続けることが困難に。
そのため、シックハウス症候群や化学物質過敏症になってしまった方々は、それまで使っていた家具をほとんど処分して、金属製や無垢の木でできた家具に入れ替える場合が多くなっています。
せっかく揃えた家具を処分して買い直すというのも残念ですし、最初の家具選びの段階で、できるだけ地元の大工さんに手作り家具を作ってもらう、なるべく接着剤を使わない工法(組み木など)の家具をインターネットなどで探す、などの対策をすることをお勧めします。
また、既にシックハウス症候群や化学物質過敏症になってしまった方の場合は特に、臭いがない素材を選ぶことも大切です。
例えば天然の無垢の木であっても、木の種類や特定の香りに反応がでてしまったりすることもあるため、その素材を1〜2週間手元に置き、体調に変化や問題がなければ素材として使用する、という方法が最も安心です。
磯﨑工務店では、一般の方から過敏症の方まで、幅広く安心して使っていただける家具のデザイン・製作も行っています。
4. ライフスタイルの見直し
シックハウス症候群や化学物質過敏症になってしまうと、衣食住だけでなく生活雑貨など、身の回りの全てのものに気を配らなくてはならなくなります。
食に関して言うと、添加物が入っていないもの、無農薬のものなど、自分の身体に合ったものを選んで取り入れることが大切。
オーガニック食品や食材を取り扱っている専門店に足を運んで、実際に手に取って味わってみて、味の違いや身体への変化を実感してみることをお勧めします。
オーガニック食材に慣れてきたら、どんなものが使われているのかなどを勉強し、最終的にどの食材が自分に最も合っているのかを見つけることで、症状の改善が期待できます。
また、衣類に関しては、健康な人であればオーガニックコットンや麻など自然の素材を身につけることがいいと言われていますが、過敏症の方は個人差があるため、必ずしも自然の素材が身体に合っているとも限りません。
天然素材にこだわるのではなく、体調や症状に応じて自分に合ったものを身につけてみてください。
今回は、シックハウス症候群や化学物質過敏症の対策を4つ、お伝えしました。
しっかりと対策をして、幸せなマイホーム生活を送っていただけたらと思います。
シックハウス・化学物質過敏症に対応した家づくりやリフォーム、家具製作などについて、お気軽にお問い合わせください。