生活空間に当たり前のように存在する空気中の物質に過敏に身体が反応し、頭痛や吐き気、めまいなどの不快な症状が現れる化学物質過敏症。
柔軟剤の香りや消臭剤、建材に使われる接着剤や塗料、防虫剤など、人によって反応する物質も様々で、重篤化すると普通の社会生活はもちろん、日常生活を送るのも困難になるほどの激しい症状が現れることもあります。
日本人の10人に1人は潜在的に罹患していると言われている化学物質過敏症、いつ誰が発症して重篤化するとも分からないにも関わらず、社会や周囲の理解不足から、孤立してしまったり精神的に不安定になってしまう場合も。
これといった特効薬もなく、症状に合わせた対処療法でもなかなか改善されないことも多いため、住環境など生活環境を見直すことがとても重要です。
そこで今回は、住環境を変えて症状が緩和された事例と、化学物質過敏症の方が住環境を変える時に考えたいポイントを5つ、ご紹介したいと思います。
※記事の最後に、化学物質過敏症に関する簡単なアンケートがあります。
お急ぎの方はこちらをクリックしてください。「化学物質過敏症に関するアンケート」
住環境を変えて症状が緩和された事例
CS対応のリフォームや新築を専門的に手がけている当店には、化学物質過敏症の方からのご相談や依頼がとても多いです。
その中から、住環境を変えてシックハウスや化学物質過敏症の症状が緩和された事例をご紹介します。
事例1:家族全員が化学物質過敏症
ご家族全員が化学物質過敏症で、化学物質だけでなく木材(杉・ひのき)や電磁波にも反応してしまうAさん。他に対応できる工務店がなく当店にご依頼を頂きました。
打ち合わせを重ね、化学物質過敏症の方でも安心して暮らせるよう細部にまで配慮した北海道産のトド松材を使用した住宅が完成。
症状が現れていた建替え前の家から移られ、「とにかく室内の空気が違う。居心地がよい。美しい、安心して住める。」との声を頂いています。
事例2:犬のアトピーも改善
Bさんは他住宅メーカーで建てた家で化学物質過敏症を発症、全面リフォームを当店に依頼されました。
天井は漆喰に、壁や床は無垢材に変え、造り付けの家具も無垢で統一。
建物全体に化学物質を軽減する工事を施し、Bさんご自身の症状だけでなくアトピー性皮膚炎を患っていた愛犬も2ヶ月後には症状が緩和して元気になったと伺っています。
事例3:奥様の症状が緩和
奥様が化学物質過敏症のCさんは、過敏症支援センターからの紹介で当店のモデルハウスを見学され、新築のご依頼を頂きました。
床材などの素材選びにも時間をかけ、完成した家に住むようになってから奥様の症状が緩和し、体調もよくなってきたそうです。
このように、住環境の改善が化学物質過敏症に与える影響は大きく、「安心して過ごせる空間」がいかに身体や精神にとって重要な要素なのかが分かります。
住環境を変える時に検討する5つのポイント
生活用品や衣類に気を遣ったり換気を心がけてもなかなか化学物質過敏症の症状が全く改善しない、改善するどころかどんどん悪化している、といった場合には、今暮らしている住環境に問題がある可能性があります。
その場合には、CS対応のリフォームを施したり、住む場所を変えたりすることが改善への近道。
とはいえ、体調の悪い中で何から考えたらいいか分からない・・・という人も多いと思います。
そこで、とりあえずは何から検討していけばいいのか、5つのポイントを簡単にご紹介します。
引っ越し or リフォーム
今暮らしている環境を、化学物質過敏症でも安心して暮らせる環境に変えるために、引っ越しをするのか、それともリフォームするのかを考える必要があります。
CS対応の新築または中古の物件に引っ越すべきか、それとも現在の住居をCS対応にリフォームするのかで、予算や準備にも違いがありますよね。
持ち家の場合はリフォームを考える方が多いと思いますが、最低限のリフォームにするのか、フルリフォームを施すのかによって予算や工事中の滞在先などについて考えておく必要があります。
賃貸 or 購入
元々賃貸物件に住んでいる場合、リフォームは現実的ではないため、引っ越しを視野に入れることになります。
その場合、引き続き賃貸の物件からCS対応物件を探すのか、それともそれを機にCS対応のマンションや一戸建てを購入するのか、も検討しなくてはいけません。
短期 or 長期
症状が改善するか様子見を兼ねて避難所的に短期間利用したい、という場合と、できることなら長く腰を据えて住み続けたい、という場合では、物件の探し方は異なります。
特に間取りや利便性などもふまえて、とりあえずの短期利用なのか、その先も身体に合えば住み続けたいのか、少し考えをめぐらせてみてください。
都市部 or 郊外
職場へのアクセスや、子供の学校など、生活圏が都市部だったり郊外だったりと、人によって様々だと思います。
現在住んでいる場所が都市部だったとして、引っ越すとしたらそこから〇〇km以内で考えたいのか、それとも思い切って郊外へ引っ越すのかというのも重要な検討ポイントです。
今はリモートでもできる仕事も多いため、都市部の自宅をリフォームするなら郊外で別の物件に住もうかなと考える人も多いかもしれません。
短期療養であれば、別荘のように環境をガラッと変えて滞在するのもいいですね。
症状の把握と工務店選び
化学物質過敏症対策の物件は、新築であってもリフォームであっても、工務店選びがとても重要です。
化学物質に対して正しい知識と対応できる能力・技術があること、そして何より、実際に話をして信頼ができると感じた工務店を選ぶことが大事。
また、個々の症状に適したリフォーム内容や物件を提案してもらえるように、自身の症状や状況を把握し、説明することもとても大切です。
自覚症状が現れた時期や、その前後にあった変化、匂いに過敏など元々の性質をできるだけ工務店と共有し、有効な解決策を探っていくことをお勧めします。
アンケートのご案内
磯﨑工務店では、化学物質過敏症の方がどのような症状で悩み、どのような条件で住環境を変えていきたいかについて、簡単なアンケートを実施しています。
症状に適したリフォームやCS対応物件のご案内、また今後のサービス拡張や社内教育のための参考とさせていただきますので、ご回答いただけますと幸いです。
アンケートは、以下の「化学物質過敏症に関するアンケート」をクリックしてください。
アンケートページが表示されます。 ↓ ↓ ↓
化学物質過敏症に関するアンケート
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