家族を守ってくれる心強い存在の家。それが実は家族の健康を脅かす存在かもしれないと考えると怖いですよね。

家(居住空間)によってもたらされる健康被害であるシックハウス症候群は、目に見えない原因が様々な体調不良症状をもたらすことから大きな問題となっています。

シックハウス症候群とは

シックハウス症候群は、化学物質やダニ、ホコリなどで汚染された居住空間(sick house:病気を引き起こす家)によって健康被害を受けてしまっている状態のこと。

特に、近年の省エネ住宅は機密性を高くしてエアコンや暖房効率を上げていますが、結果として建材や家具から放散される化学物質が室内に充満、それを吸い込んだ人の体調不良を招いています。

木造の住宅だし、家具も木製でナチュラルテイスト、化学物質とは一見縁が遠そうに思える住宅でも、実は見えないところに多くの化学物質が使われていることが。

例えば、建材(フローリング・壁など)やシステムキッチンなどの合板や壁紙に使われている接着剤や塗料からは、身体に有害なホルムアルデヒドなどの化学物質(揮発性有機化合物:VOC)が発散されています。

また、合成洗剤や芳香剤・防虫剤など、生活の中には多くの化学物質があり、その成分が空気中に漂っています。

そのため、2003年に改正された建築基準法では「24時間換気」を義務化。機密性の高い現代の住宅やマンションでは常に換気をし続けるようになっています。

ただ、24時間換気や意識的な換気を行っても、飛散する化学物質を室内から全てなくすことは困難。

そのため、体質的に化学物質に敏感な人(化学物質過敏症)や免疫が弱っている人などは微量のVOCでもシックハウス症候群を発症してしまいます。

一般的な症状は目や喉の痛み、鼻水、めまい、吐き気など。人によって症状も異なり、重症化するとアレルギー疾患や精神疾患につながる恐れもあります。

赤ちゃんはシックハウス症候群になりやすい

 

化学物質に対する身体の反応は人それぞれで、同じ環境下にあっても全く症状が出ない人もいれば、とても生活を続けられないほどのつらい症状が出る人もいます。

小さな赤ちゃんはというと、シックハウス症候群になる確率が大人の2倍以上とも。

その理由として挙げられるのが、 

  • 赤ちゃんは大人に比べて体重あたりの吸気量が多く、化学物質をより多く取り込みやすい
  • 家にいる時間が長い
  • 大人に比べてアレルギー反応が2倍
  • 飛散した化学物質が溜まりやすい低い位置にいる
  • 免疫力が低い 

などです。 

新築の家に引っ越したことをきっかけに子育てを考える人も多いですが、新築の家は特に接着剤などからの化学物質の飛散が多いため、建築資材は安全なものを選ぶことが重要です。

また、赤ちゃんのために新しく購入したベビーベッドやクッションフロア、子供用の家具や玩具箱などにも注意が必要。

デザインやかわいさだけでなく、低ホルムアルデヒド(F☆☆☆☆グレード)表示を確認して選びたいですね。

赤ちゃんにこんな症状が出たら要注意

 

不快な症状を感じていても、言葉では表すことができない赤ちゃん。その異変にいち早く気づいてあげることがとても重要です。

 こんな症状が出たら、シックハウス症候群かもしれません。 

  • 目の充血、涙
  • 咳やくしゃみ
  • 皮膚炎
  • よだれ
  • ゼーゼーする

まずは小児科や皮膚科、眼科、耳鼻咽喉科など、症状に応じたお医者さんに相談し、居住環境や食べ物などについての問診を受けてみてください。

シックハウス症候群の治療は基本的に症状に対する対処療法(抗生剤や消炎剤など)ですが、シックハウスが原因であればその根本原因を減らすことが症状緩和の近道となります。

 

赤ちゃんが健康に育つ家づくりを

 

シックハウス症候群は、全ての人に現れる症状ではなく、原因となる化学物質も目に見えないため、大人は気が付かず生活していることもあります。

 でも、小さな赤ちゃんが罹患して重症化すると、喘息やアトピーのような慢性疾患や、肺炎のような重篤な疾患に犯される危険もあるということをきちんと認識し、対策することが重要。

 わたしたちは、シックハウス症候群対策として「エイブル工法」によるVOC除去や、合板を使わない建築、安心安全な無垢材を使った家具の制作などを通して、赤ちゃんが健康に育つ家づくりのお手伝いをしたいと考えています。

 

是非お気軽にご相談ください。