中目黒鮨尚光

東京都目黒区 『鮨尚充』

カウンター材は天然乾燥の桧にふきうるし塗り。
シャリは磯崎おすすめの無農薬のお米。お茶も無農薬。
目黒川から1本入ったほとんど分からない隠れ家的なお店。ネタはほとんどが天然もの。
来るお客様からは、ゆっくりとおちつける空間が良いと言われている。

各店で修行した気鋭の鮨職人が独立。開店後ほどなく評判を呼んで、人気店となった。ひとつひとつにこだわりがある握りのように、内装も、店舗には珍しく十分に時間をかけて丁寧につくられた。

鮨を握る主人を主役にしたシンプルな空間だが、なにげなく目を引くのが、左右の壁に描かれた「木」である。比較的天井が低かったので、縦のラインを加えて伸びやかさを出したかったためだ。

木はレリーフ状に盛り上げられた後、現代大津磨きで仕上げられた。

設計施工を手がけた磯崎工務店は自然素材にこだわり、合板も使わない。「施工中も嫌な臭いがまったくなく気持ちよかった」と現場の声。その精神はきっと、来客にも伝わっているに違いない。

 

鮨 尚充(たかみつ)

東京都目黒区青葉区 1-28-2 EXA101
tel 03-3712-6999
17:30-24:00 日曜定休

 

内装設計・施工/磯崎工務店
デザイン・造形/木村謙一(晴れやか美術計画)
http://www.hareyaka-ap.com/
左官/小沼充(小沼左官)
http://www.konuma-sakan.com/
竣工/2011年5月
使用材料/沖縄の土(現地から直接購入)・漆喰・生石灰クリームなど
下地/ラスボード
工程/1.下地に見切り(木材)を取り付ける。2.砂漆喰で中塗り、上下の部分は漆喰で上塗り(堅押さえ)。擬木部分はチョークで下地を描いてから、αせっこうを盛り付け、竹製の櫛で木の形状に造形する。3.乾いてから擬木の上に現代大津磨きを施す。中央の帯部分は、同じ土を使った伝統的な大津磨き。
工期/2ヶ月
施工面積/約100m²(擬木の壁のみ)
材料問合せ/富沢建材(琉球はねず)tel 03-3362-7774
http://www.tomizawakenzai.com/

information
「環境と健康に負荷をかけない建築」をコンセプトにする磯崎工務店、磨きのような難しい仕上げも得意とする名人、小沼充さん、左官と組んで空間や造形をつくり出す美術家、木村健一さん。三者の協力で、自然素材を使いつつ、ひと味違う空間が生み出されている。

東京都目黒区 『鮨尚充』